玄関先の段差を解消し、車椅子やベビーカー、高齢の家族が移動しやすくする方法の一つが、玄関アプローチへのスロープ設置です。
ただし、必要なスロープ長や工事内容を判断するには、敷地の高低差と使える水平距離を確認しなければなりません。
この記事では、勾配計算、有効幅、配置パターン、安全設備の選び方を具体的に整理します。自宅に設置できるか判断したい方は参考にしてください。
玄関アプローチのスロープは高低差と必要距離で設置可否が決まる

スロープの設置可否は、必要な勾配を保てる水平距離が敷地内にあるかで判断できます。傾斜が急すぎると転倒につながるため、計画前に高低差と水平距離を確認してください。
- 利用者に合わせて1/12から1/20の勾配を選ぶ
- 高低差から必要なスロープ長を計算する方法
- 車椅子の通行幅と方向転換に必要な踊り場寸法
利用者に合わせて1/12から1/20の勾配を選ぶ
「勾配」は、スロープの傾斜の程度を分数やパーセントで表した数値です。安全に通行できる角度は、移動手段や介助の有無に左右されます。
国土交通省の建築設計標準では、移動等円滑化経路の傾斜路は原則1/12以下です。屋外では1/20以下が望ましいとされています。
戸建住宅では、これらを設計上の目安とし、利用者の身体状況、車椅子の種類、介助の有無を踏まえて勾配を決めてください。
例えば、1/12勾配は高さ10cmに対して水平距離120cm、角度約4.8度です。1/15勾配では水平距離150cm、角度約3.8度となり、1/12より緩やかになります。
建築基準法施行令第26条は、階段に代わる傾斜路の勾配を1/8以下と定めていますが、車椅子が安全かつ快適に通行するための推奨勾配を示す規定ではありません。
高低差から必要なスロープ長を計算する方法
高低差と水平距離の単位をcmにそろえ、高低差×12〜15=必要な水平距離で計算します。段差の高さごとに求められる水平距離の目安は以下の通りです。
| 玄関高低差 | 必要な水平距離 |
|---|---|
| 20cm | 1/12:240cm(2.4m)/1/15:300cm(3.0m) |
| 30cm | 1/12:360cm(3.6m)/1/15:450cm(4.5m) |
| 40cm | 1/12:480cm(4.8m)/1/15:600cm(6.0m) |
| 60cm | 1/12:720cm(7.2m)/1/15:900cm(9.0m) |
ポーチの高さが30cmある住宅で自走しやすい1/15勾配を採用する場合、斜面だけで4.5mもの水平距離を確保しなければなりません。
この計算値は純粋な傾斜部分の長さであり、実際には乗り降りのための平坦なスペースが前後に加わります。
計測時は、自分で測った高さと、施工業者が水勾配を含めて測量した数値に数センチの差が生じることがあります。
わずか数センチの差で必要な距離が数十センチ伸びる場合もあるため、最終寸法は施工前の現地測量を基準にしてください。
車椅子の通行幅と方向転換に必要な踊り場寸法
スロープは斜面の長さだけでなく、車椅子や歩行器がスムーズに行き交える幅や、方向転換のための平坦なスペースを正しく設計する必要があります。
車椅子や歩行器が安全に通れる有効幅の基準
通行幅を検討する際は、外側の全体幅ではなく手すりや立ち上がりの内側にあたる「有効幅」を基準に考えます。
戸建住宅では、使用する車椅子を実測し、屋外歩行空間の目安となる90cm程度以上の有効幅を確保できるか検討します。
介助者が車椅子の横に付き添う場合や電動車椅子を使用する場合は、さらに広い幅が必要です。手すりを取り付けると内側の幅が狭くなるため、車椅子の寸法と介助方法を踏まえて手すり内々の寸法を確認しましょう。
方向転換と一時停止に必要な踊り場の設置基準
車椅子で自走する利用者が休憩したり、方向を変えたりできるよう、傾斜の途中に平坦な「踊り場」を確保します。特に以下の場所への配置を検討してください。
150cm角は車椅子の転回スペースとして用いられる設計上の目安です。また、公共建築物向けの設計標準では、高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊り場を設ける考え方が示されています。
戸建住宅では、使用する車椅子の旋回性能、玄関ドアの開閉軌道、敷地条件に合わせて寸法を決めます。
敷地に合う配置パターンの選び方と階段との動線分離

敷地の奥行きや間口が限られている住宅では、配置パターンを工夫し、間口も活用して必要距離を確保します。
また、家族全員の利便性を損なわないために階段や駐車場との位置関係を考慮することが大切です。
- 奥行きのある敷地に向く直線型スロープの特徴
- 間口や奥行きの不足を補うL字型・折り返し型の配置
- 階段との併設で最短動線とバリアフリーを両立させる
- 駐車場から玄関まで段差のない乗降動線をつくる
奥行きのある敷地に向く直線型スロープの特徴
直線型スロープは、道路や門扉から玄関ポーチまでを一直線につなぐ配置です。方向転換や切り返しがないため、車椅子でも操作しやすくなります。
ただし、一直線に長い水平距離をとる必要があるため、道路から玄関ポーチまで十分な奥行きがある敷地に適しています。高低差30cm・1/15勾配では傾斜部分だけで4.5mとなり、始点と終点に各1.5mの平坦部を設ける場合は、単純合計で約7.5mの直線距離が必要です。
間口や奥行きの不足を補うL字型・折り返し型の配置
敷地の奥行きが足りず直線型を設置できないケースでは、L字型や折り返し型で必要距離を確保する方法があります。
L字型は建物の外壁沿いや敷地境界に沿って90度曲げて配置する手法で、建物前の横幅(間口)を活用して距離を延ばせます。折り返し型は180度方向を変え、敷地の間口も使って必要な水平距離を確保する配置です。
曲がり角では、使用する車椅子の旋回寸法を踏まえて平坦な踊り場を設けます。
曲がる際に車椅子の後輪が内側の角や壁に接触しやすいため、コーナーの内側を斜めに削る「隅切り」を行ったり曲がり角の幅を広げたりする工夫が欠かせません。
階段との併設で最短動線とバリアフリーを両立させる
既存階段の一部を残して脇にスロープを併設すれば、利用者や用途に応じて動線を選べます。
歩行者や配達員は階段を、車椅子やベビーカーはスロープを利用できるため、家族全員が移動しやすい構成です。合流部では、玄関ポーチと床面の高さをフラットに揃える施工が必要です。
小さな段差でもつまずきや転倒の原因になるので、施工後に確認してください。
駐車場から玄関まで段差のない乗降動線をつくる
アプローチスロープを計画する際は、自家用車や福祉送迎車からの乗り降りを想定し、駐車場からスロープまでを一体で設計する必要があります。
車椅子を使用して車に乗降する場合は、車種と乗降方法に応じて側方または後方のフラットなスペースを確保します。福祉車両を利用する場合は、実車でドアやリフトの展開寸法を確認し、段差を経由せずスロープの始点へ進める経路を設計しましょう。
柱や砂利、植栽が経路上にあると、車椅子の通行を妨げます。車からスロープまでの移動軌道を確認し、段差のない経路を設計段階で確保してください。
安全性とおしゃれを両立する床材と設備の選び方

スロープの素材選びでは見た目だけでなく、防滑性と平滑性を両立させることがポイントです。手すりや周辺設備を組み合わせると、意匠性を保ちながら安全性を高められます。
- 雨でも滑りにくく車椅子に振動が少ない床材を選ぶ
- 手すりと立ち上がりで歩行と車椅子の脱輪を防ぐ
- 排水・屋根・照明で雨天や夜間の転倒リスクを減らす
雨でも滑りにくく車椅子に振動が少ない床材を選ぶ
スロープの表面材は、濡れた靴底や車輪がスリップしにくい防滑性と、キャスターに不快な振動を与えにくい平滑性の両立が求められます。
スロープにおすすめの滑り止め床材一覧
スロープの仕上げ材は、防滑性と走行時の振動を比較して選びます。主な種類は以下の通りです。
刷毛引きコンクリートは表面に細かい刷毛目を付ける工法で、費用が安く、防滑性を確保しやすい特徴があります。
洗い出し仕上げは天然石の粒を表面に浮き出させる工法で、風合いとグリップ力を両立できます。
ノンスリップタイルは、傾斜角を考慮したすべり抵抗値を確認して選んでください。国土交通省資料が紹介する推奨値案では、傾斜路は「C.S.R-sinθ=0.4以上」です。
寒冷地では凍結割れを抑えるため、吸水率の低い磁器質タイルを選びます。
濡れると滑りやすく、避けるべき仕上げ材
スロープ床材には、濡れると滑りやすい平滑な金ゴテ仕上げコンクリートや、防滑仕様でないタイルを使用しないようにしましょう。
金ゴテ仕上げは乾燥時にはきれいですが、雨が降ったり冬季に凍結したりすると大変滑りやすくなります。
傾斜面で足元を取られると制動しにくくなり、転倒につながるおそれがあるため、スロープの仕上げ材には適していません。
手すりと立ち上がりで歩行と車椅子の脱輪を防ぐ
スロープ上での転倒や転落を防ぐには、利用者に合う手すりと脱輪防止構造の設置が欠かせません。
体格や使い勝手に合わせた手すりの高さと素材
手すりの高さは立って歩く人の腰の高さにあたる床面から75cm〜85cmが標準です。
車椅子利用者や小柄な高齢者も同時に使う場合は、高さ60cm〜65cmの位置にもう1本追加した「2段手すり」の導入が効果的です。
握り部(笠木)の素材にはエラストマー樹脂などを被せたタイプを採用します。
金属露出の手すりは夏場に直射日光で高熱になり握れなくなるほか、冬場は冷たすぎて指が痛むため、熱を伝えにくい樹脂製カバーが適しています。
車椅子や歩行器の脱落を防ぐ立ち上がりの設置
側壁がない側端には、脱輪防止のため、床面から高さ5cm以上の「立ち上がり(縁石状の段差)」を連続して設けることが推奨されています。
立ち上がりは、車椅子のキャスターや杖先、歩行器の車輪が外側へ滑り落ちるのを防ぐガードです。車輪が端へ寄った際の脱輪防止にも役立ちます。
排水・屋根・照明で雨天や夜間の転倒リスクを減らす
雨天や夜間にも安全に通行できるよう、排水設備・屋根・照明を組み合わせることがポイントです。
車椅子の横流れを抑えるため、横断勾配は2%以下を目安とし、縦断勾配のある部分では可能な限り抑えます。
排水は側溝や集水桝も含めて計画し、スロープ全体をテラス屋根や玄関庇で覆うと、雨天時の乗降や傘の開閉がしやすくなります。
夜間の視認性を確保するため、スロープの乗り口や曲がり角、玄関ポーチ前の足元を照らす「フットライト」やセンサーライトを設置しましょう。
足元や段差が明確に見えることで、夜間の踏み外しや衝突リスクを軽減できます。
後付けできる玄関スロープの種類と費用相場

玄関スロープを後付けする際の工法は、簡易型から既存階段を壊して造成する大規模工事までさまざまです。
希望する耐久性や利用期間、予算に合わせて最適な施工方法を選択しましょう。
- 工法・種類別の費用目安を一覧表で比較する
- コンクリートやタイル仕上げの本格施工は長期利用に向く
- 簡易アルミ・樹脂スロープは小さな段差や短期利用に向く
- 階段の撤去や付帯工事の有無で総額が変わるポイント
工法・種類別の費用目安を一覧表で比較する
玄関スロープの後付け工事は、工法や工事の規模によって費用相場と工期が大きく変化します。代表的な3つのタイプの施工目安は以下の通りです。
| 工事タイプ・種類 | 費用目安 | 工期の目安 |
|---|---|---|
| 可搬式アルミ・樹脂スロープ | 数千円〜10万円程度 | 即日(置くだけ) |
| コンクリート・タイル本格施工 | 20万円〜60万円程度 | 3日〜2週間程度 |
| 既存階段撤去を含む全面改修 | 60万円〜100万円以上 | 2週間〜1カ月程度 |
簡易型は置くだけで使えるため安価ですが、高い段差への常設には適していません。持ち家で長期間使用する場合は、初期費用をかけて本格的なコンクリート施工を選ぶ方法があります。
既存の階段を撤去してゼロから造り直す大規模リフォームでは、解体費用や配管の移設費用などが上乗せされるため、100万円以上の予算が必要になるケースも珍しくありません。
コンクリートやタイル仕上げの本格施工は長期利用に向く
庭やアプローチの空きスペースに基礎を打ち、コンクリートやタイルで固定スロープを造る本格施工は、持ち家での常設利用に向く工法です。
敷地形状に合わせて勾配や幅、踊り場を自由にオーダーメイド設計でき、住宅の外観デザインに調和させやすいメリットがあります。
適切に施工・維持管理すれば、10年、20年と長期にわたって利用しやすい点も特徴です。
費用相場は20万円〜60万円程度が目安となります。施工時には打設したコンクリートが固まるまでの養生期間が必要になるため、工事完了までに数日から2週間ほどの期間を見込んでおきましょう。
簡易アルミ・樹脂スロープは小さな段差や短期利用に向く
可搬式のアルミ・樹脂製スロープは、設置工事が不要で短期利用に向きます。
購入費用は数千円から10万円程度です。介護保険の福祉用具貸与では、原則として貸与価格の1割、一定以上所得者は2割または3割を負担します。
固定用スロープは2024年4月から貸与と販売の選択制です。
玄関ポーチの数cm〜15cm程度の段差や、けがのリハビリ期間中の一時利用に使えます。購入前に、耐荷重、対応段差、固定方法、防滑性、収納場所を製品仕様で確認してください。
長尺タイプは重量が増えるため、使用するたびに出し入れする作業が身体的負担になる場合があります。また、屋外に設置したまま放置すると強風による飛散リスクがある点に留意しましょう。
階段の撤去や付帯工事の有無で総額が変わるポイント
スロープ工事の総額費用は、斜面を作る本体工事費だけでなく既存構造物の解体費や付帯工事の有無によって差が生じます。
既存階段の解体・撤去と残土処分費用
既存のコンクリート階段を解体して撤去する場合、はつり作業の人件費や解体ガラ・掘削残土の処分費用が発生します。解体・処分費だけで最低でも5万円〜10万円以上が見積もりに加わる想定です。
分厚い鉄筋コンクリート階段では、はつり作業が増え、解体費用が15万円以上になるケースもあります。
門扉・配管・照明などの移設・付帯工事費
スロープの配置ルート上に存在する構造物や埋設配管の移動に伴い、以下のような付帯工事費用が追加されます。
特に雨水桝の高さ調整を怠るとスロープの下に桝が埋没してしまうため、事前の見積もりで付帯工事費が含まれているか細部まで点検することが大切です。
介護保険と自治体の補助制度は着工前に確認する

条件を満たす高齢者や要支援・要介護認定者がいる世帯では、公的支援を活用して自己負担額を軽減できます。
制度ごとの適用条件や申請タイミングを正しく把握しておきましょう。
- 介護保険の住宅改修費を利用できる主な条件
- ケアマネジャーへの相談から支給までの申請フロー
- 自治体独自の助成制度と介護保険との併用を確認する
介護保険の住宅改修費を利用できる主な条件
介護保険の住宅改修費支給制度では、対象工事の支給限度基準額は20万円です。自己負担1割の方は、最大18万円の給付を受けられます。
主な適用要件は、要支援1・2または要介護1〜5の認定を受けた家族が居住している自宅(被保険者証の住所)であることです。
スロープの新設や手すりの取り付け、滑り止め床材への変更、段差解消工事が給付対象に含まれます。
支給限度基準額は、同一住宅・同一対象者につき原則20万円です。要介護状態区分が3段階以上重くなった場合は1回に限り、別の住宅へ転居した場合は再度20万円まで利用できます。
ケアマネジャーへの相談から支給までの申請フロー
介護保険の住宅改修費を利用する場合は、原則として工事の着工前に自治体へ事前申請してください。具体的な手順は以下の通りです。
事前申請をせずに着工すると、原則として介護保険の給付対象外となります。ただし、やむを得ない事情がある場合は工事完了後の申請が認められることもあるため、速やかに自治体へ相談してください。
審査期間は自治体によって異なるため、工事日を決める前にケアマネジャーと自治体へ確認しましょう。
自治体独自の助成制度と介護保険との併用を確認する
介護保険とは別に、自治体が高齢者向けの住宅改修助成や障害者向けの住宅改造助成を設けている場合があります。
対象工事、介護保険との併用可否、所得制限、申請時期は自治体ごとに異なります。制度を利用する場合は、工事前に自治体の福祉窓口へ確認してください。
また、一定の要件を満たすバリアフリー改修では、翌年度分の固定資産税が3分の1減額されます。2026年公表資料での適用期限は令和13年(2031年)3月31日です。
対象者、新築後10年以上、床面積40〜240㎡、補助金等を差し引いた工事費が税込50万円超などの要件があり、工事完了後3カ月以内に家屋所在地の市区町村へ申告します。
スロープ工事で失敗しない業者選びと相見積もりの手順

スロープ工事では、敷地に合う勾配や動線を提案でき、施工前に干渉物を確認する業者を選ぶ必要があります。現地調査の確認項目と相見積もりの比較基準を押さえておきましょう。
- 現地調査で門扉・配管・排水・玄関ドアの干渉を確認する
- 同じ利用条件で複数社の設計案と見積もりを比較する
現地調査で門扉・配管・排水・玄関ドアの干渉を確認する
現地調査では、建物や門扉に加え、地中配管や雨水桝との干渉まで現地で確認する業者を選びます。
門扉や玄関ドアの開閉スペースと動線の干渉確認
外開き構造の玄関ドアや門扉がある場合、ドアを全開にした際に車椅子と衝突しないかを確認する必要があります。
ドア全開時の軌道の外側に、車椅子が安全に待機・回転できる150cm×150cmの踊り場を確保できるかがポイントです。
車椅子の寸法と回転軌道を確認し、ドア開閉時の待機・通行スペースが図面へ反映されているか確かめてください。
雨水桝・地中配管の位置と排水勾配の確認
地面の下に埋まっている雨水桝や汚水桝、水道管の位置を点検し、スロープの土台で桝が埋もれてしまわないよう配慮する施工が必要です。
スロープの高さに合わせて桝の蓋を持ち上げる「桝高さ調整工事」を見積もりに盛り込んでくれるか点検しましょう。
また、雨水が玄関前やスロープ表面に水たまりを作らないよう、横断勾配(水勾配)や集水桝の設置計画が立てられているかも確認してください。
同じ利用条件で複数社の設計案と見積もりを比較する
スロープ工事の価格やレイアウト案を比較するには、2〜3社の外構業者から相見積もりを取得すると判断材料が増えます。
見積もりを依頼する際は、「解消したい高低差」「希望する勾配」「必要な有効幅」「手すりの有無」「床材」「排水計画」「保証期間」をすべての業者に同一条件で伝えます。
提示された見積書を確認し、工事一式という大雑把な表記ではなく「解体処分費」「土工費」「桝調整費」などの内訳が明記されているか確かめましょう。
敷地奥行きが狭く直線型が難しい場合でも、提案力のある業者は、L字型や折り返し型、玄関ドアの引き戸化など、敷地条件に応じた代替案を提示します。
価格の安さだけで判断せず、設計の安全性や説明の丁寧さを比較して信頼できる施工店を決めましょう。
玄関スロープ工事の相談・見積もり依頼ができる主な窓口

玄関スロープ工事を進める際は、工事規模や依頼方法に合う窓口を選ぶことがポイントです。依頼先として、外構業者の比較サービスと外構専門店を3つ掲載します。
- 複数社のプラン・価格を一括比較できる「town life エクステリア」
- デザイン性と安全性を両立する外構専門店「ガーデンプラス」
- 手すりや屋根の単品・設備工事に強い「エクスショップ」
複数社のプラン・価格を一括比較できる「town life エクステリア」

town life エクステリアでは、敷地条件や要望をオンラインで入力し、審査を通過した加盟業者へ設計プランと見積もりを無料で一括依頼できます。
複数社へ個別に依頼する手間を減らし、提案内容やレイアウト案を横並びで比較できます。価格だけでなく、設計案も比べたい方に向くサービスです。
デザイン性と安全性を両立する外構専門店「ガーデンプラス」

ガーデンプラスは、5万件以上の施工実績があり、そのうち2万件以上の施工事例を公開している全国対応の外構専門オンラインショップです。プロのデザイナーが在籍するデザインセンターも特徴です。
住宅の外観に合わせたスロープを検討したい方には、ガーデンプラスが向いています。最長10年の施工保証があり、保証期間も比較材料です。
手すりや屋根の単品・設備工事に強い「エクスショップ」

エクスショップは、エクステリア商品のネット販売と設置施工をセットで提供している専門オンラインショップです。
既存アプローチへの屋外手すりや雨除けテラス屋根など、商品と設置工事をまとめて依頼したい場合に適しています。独自の仕入れルートを活かし、ネット販売ならではの価格で提供している点が特徴です。
玄関アプローチのスロープに関するよくある質問
玄関スロープの設計や業者選びで迷いやすい点を、6つの質問に分けて確認します。
- Q1. 高低差から必要なスロープの長さを簡単に求める方法はありますか?
- Q2. 既存の階段を残したままスロープを後付けできますか?
- Q3. DIYで玄関スロープを作ることはできますか?
- Q4. 介護保険の申請は工事の後からでも間に合いますか?
- Q5. 自転車用スロープを車椅子でも共用できますか?
- Q6. 完成後はどのような手入れが必要ですか?
Q1. 高低差から必要なスロープの長さを簡単に求める方法はありますか?
必要な水平距離は、「玄関ポーチの高低差(cm)×12〜15」の計算式で概算できます。1/12〜1/15程度を設計上の目安とすると、高低差30cmでは3.6m〜4.5mの水平距離が必要です。
奥行きが不足する場合は、L字型や折り返し型にして間口も使うことで、必要な水平距離を確保できます。
Q2. 既存の階段を残したままスロープを後付けできますか?
アプローチ幅にゆとりがあり、使用する車椅子に合う有効幅と階段幅をそれぞれ確保できれば併設できます。屋外歩行空間では、有効幅90cm程度以上が一つの目安です。
階段とスロープを併設すると、歩行者、車椅子、ベビーカーなど、利用者に応じて動線を選べます。門扉の開閉軌道や配管と干渉しないか、現地調査で実測してください。
Q3. DIYで玄関スロープを作ることはできますか?
高さ数cmの小さな段差に市販のアルミスロープを置く程度であればDIYで対応できますが、コンクリートを流し込む本格的な常設スロープのDIYは避けるべきです。
正確な勾配計算や横断勾配(水はけ)の設計、ひび割れを防ぐ配筋施工、脱輪防止の立ち上がりなど高度な施工技術を要するためです。
強度不足による崩落や転倒事故の危険が大きいため、専門の外構業者へ依頼することを推奨します。
Q4. 介護保険の申請は工事の後からでも間に合いますか?
介護保険の住宅改修費は、原則として工事着工前の事前申請が必要です。
ただし、やむを得ない事情がある場合は、例外的に工事完了後の申請が認められることもあります。事後申請の可否は自治体が判断するため、工事契約前にケアマネジャーと自治体へ確認してください。
Q5. 自転車用スロープを車椅子でも共用できますか?
階段脇の細い自転車押し歩き用レールは車椅子用に設計されていないため、車椅子では使用できません。
車椅子と自転車の共用動線を設ける場合は、車椅子利用を前提とした有効幅、勾配、踊り場、脱輪防止設備を確保します。
Q6. 完成後はどのような手入れが必要ですか?
滑り防止と安全維持のため、表面の苔や泥、落ち葉、積雪を定期的に清掃・除去します。
刷毛引きコンクリートは表面の溝に汚れが溜まりやすいため、仕上げを傷めない水圧と距離を守って洗浄します。排水口の詰まりと照明の点灯も定期的に確認してください。
また、ひび割れの拡大、段差、沈下、欠け、漏水、手すりのぐらつきを確認した場合は、ひび割れ幅だけで自己判断せず、施工業者へ点検・補修を依頼してください。
まとめ
玄関アプローチへのスロープ設置では、勾配・動線・安全設備を一体で計画することがポイントです。
計画時は、高低差から勾配と必要距離(高低差×12〜15)を算出し、敷地に合うレイアウトを選びます。滑りにくい刷毛引きや洗い出し仕上げの床材、二段手すり、立ち上がりなどの安全設備も確認してください。
介護保険の住宅改修費は、自己負担1割の方なら最大18万円の給付を受けられます。自治体の助成制度と併せ、原則として着工前に申請してください。
最後に、門扉や地中配管との干渉を現地で確認し、複数社の設計案と見積もりを比較して施工店を選びましょう。
この記事でご紹介したおすすめサービス一覧
| サービス名 | 特徴とおすすめの活用場面 |
|---|---|
| town life エクステリア | 全国の優良外構業者から無料プラン・見積もりを一括取得。複数社のアイデアと価格を比較したい場合 |
| ガーデンプラス | 施工実績5万件以上、公開施工事例2万件以上、最長10年保証。デザイン性と安全性を両立した外構アプローチを作りたい場合 |
| エクスショップ | ネット通販型のエクステリア工事。屋外手すりやテラス屋根などの商品と設置工事をまとめて依頼したい場合 |
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