手入れの負担を抑えられる樹脂フェンスを検討するなら、樹脂フェンスのデメリットや失敗しやすいポイントを事前に確認しておきたいところです。
天然木で生じる腐朽のリスクがない反面、プラスチック素材ならではの性質や、アルミ製と比較した際の強度など、事前に把握しておくべき注意点が存在します。
この記事では、樹脂フェンスで知っておきたい5つのデメリットと後悔を防ぐプロの対策を取り上げ、施工前に確認したい対策まで整理します。設置後に後悔したくない方はぜひ参考にしてください。
樹脂フェンスと人工木フェンスの違い

外構工事で検討される「樹脂フェンス」には、素材の製法によって大きく分けて2つのタイプが存在します。どちらも木目調のデザインで天然木のような温かみのある外観を持っていますが、材質の構成が異なります。
ひとつは、ポリスチレン等のプラスチック樹脂に木粉を30%〜50%ほど配合した「人工木(木樹脂)フェンス」です。
木粉を含むため天然木に近いナチュラルな質感や手触りを楽しめる反面、わずかな吸水性を持つため湿気や雨水による雨ジミ・カビのリスクを伴います。
もうひとつは、木粉を一切含まず樹脂素材100%で成形された「100%樹脂製(発泡樹脂)フェンス」です。水や湿気による腐食やカビ・雨ジミが一切起こらない高い耐久性を誇ります。
本記事では、これらを総称した「樹脂系フェンス全般に共通するデメリットと対策」を分かりやすく解説します。
樹脂フェンスで知っておきたい5つのデメリット

樹脂フェンスは定期的な防腐塗装が通常不要で扱いやすい建材ですが、素材の物理特性やコスト面において知っておくべき弱点があります。失敗を防ぐために、代表的な5つのデメリットを確認しておきましょう。
- 【デメリット1】天然木より初期費用(材料費)が高くなりやすい
- 【デメリット2】気温差による板の伸縮やたわみ・反りが発生する
- 【デメリット3】夏場は直射日光で表面温度が上がりやすい
- 【デメリット4】アルミに比べ強い衝撃で割れや欠けが生じる
- 【デメリット5】微かな経年色あせと日陰での苔・カビ汚れが付着する
【デメリット1】天然木より初期費用(材料費)が高くなりやすい
樹脂フェンスの導入にあたり、最初のハードルとなるのが安価な天然木と比較した際の初期費用(本体材料費)の高さです。
スチールメッシュフェンスが1メートルあたり3,000円〜10,000円程度、ホームセンターで買える安価な天然木(ソフトウッド)が3,000円〜10,000円程度で購入できるのに対し、樹脂フェンスは1メートルあたり8,000円〜28,000円程度の部材費がかかります。
この価格差が生じる理由は、屋外の厳しい環境で長期間使用できるよう、高価な紫外線吸収剤や酸化防止剤が添加されているためです。さらに耐風圧強度を保つために板材の厚みを約10mm確保する成形コストも影響しています。
【デメリット2】気温差による板の伸縮やたわみ・反りが発生する
プラスチック樹脂製品の物理的な性質として、気温の変化に伴い板材が膨張と収縮を繰り返す現象が起こります。
1メートルの長さを持つ樹脂板の場合、夏と冬の寒暖差によって長さ方向で5ミリ〜10ミリ程度伸び縮みします。
この熱伸縮を無視して板材同士をスキマなく固定してしまうと、夏場に膨張した板同士が押し合い、逃げ場を失ったパネルが波打つようにたわんだり反ったりする原因になります。
【デメリット3】夏場は直射日光で表面温度が上がりやすい
熱を逃がしやすい天然木と異なり、樹脂フェンスは太陽光の赤外線を吸収して表面温度が急激に上がりやすい特徴があります。
真夏の強い直射日光を受ける環境下では、樹脂フェンスの表面温度が60度〜70度近くまで上昇するケースがあります。幼いお子様やペットが素手で触れると火傷のリスクがあります。
また、ポリスチレン樹脂の荷重たわみ温度は70度〜90度程度であるため、高温下で強い外力が加わると熱変形が定着しやすくなる点にも注意が必要です。
【デメリット4】アルミに比べ強い衝撃で割れや欠けが生じる
長年屋外で太陽光を浴び続けると、紫外線による光酸化劣化が進み樹脂の柔軟性が失われて脆化が進行します。
脆化した状態の樹脂フェンスは、自動車の接触や自転車の転倒による衝撃を受けた際、アルミのように凹むのではなくポキッと割れたり欠けたりする破損を起こしやすくなります。
特に強風や台風時(風速34m/s〜42m/s)の風圧に対しても、樹脂板単体では耐えきれないため、支柱内部への補強設計が不可欠です。
【デメリット5】微かな経年色あせと日陰での苔・カビ汚れが付着する
UVカット加工が施された製品であっても、長年の使用によって微小な色あせや退色現象を完全に防ぐことは不可です。
ホワイト系では微小な白化現象(チョーキング)が生じ、濃色系では徐々に色素が抜けて淡い色合いへと変化していきます。
また、北側の境界など日陰で湿気が溜まりやすい環境では、表面の木目凹凸に苔やカビが定着しやすく、定期的な清掃を行わないと見た目を損ねる要因となります。
樹脂フェンスのデメリットによる後悔を防ぐ5つの対策

樹脂フェンス特有のデメリットは、適切な製品選定と施工対策によってリスクを抑えられます。後悔のないお庭づくりのために、確認したい5つの対策を見ていきましょう。
- 【対策1】10年以上のメンテナンス費を含めた総額で比較する
- 【対策2】熱伸縮を見込んだ穴加工とクリアランスを施工店に確認する
- 【対策3】直射日光を考慮した色選びや植栽配置で表面温度を抑える
- 【対策4】衝撃を受けやすい場所ではアルミ芯柱や厚手パネルを選ぶ
- 【対策5】定期的な水洗いとお手入れで色あせや苔・カビの定着を防ぐ
【対策1】10年以上のメンテナンス費を含めた総額で比較する
初期費用の高さを克服するためには、10年〜20年単位でのトータルコスト(生涯費用)で経済性を評価することが重要です。
材料費の安い天然木(ソフトウッド)は、1〜2年ごとの防腐剤塗布や再塗装が必要となり、10年〜15年で腐食による再設置費用が発生します。
一方の樹脂フェンスは防腐塗装が不要でメンテ費用がほぼかかりません。10年以上の長期スパンで計算すれば、初期費用の差額は塗料代や人件費で回収でき、結果的に費用を抑えられます。
【対策2】熱伸縮を見込んだ穴加工とクリアランスを施工店に確認する
熱膨張によるたわみや割れを防ぐには、施工時にメーカー規定のクリアランスと遊ばせ施工の徹底が欠かせません。
板材の端部やつなぎ目には、夏場の伸びを考慮して5ミリ〜10ミリ程度の隙間(クリアランス)を確保して施工します。
さらにビス穴を長穴(楕円穴)に加工し、締め付けすぎないトルクで固定することで、板の伸縮をスムーズに逃がして変形事故を防げます。
【対策3】直射日光を考慮した色選びや植栽配置で表面温度を抑える
夏場の表面温度上昇と熱変形を抑えるには、設置場所の日照条件に合わせたカラー選定と自然な遮光環境づくりが効果的です。
直射日光が強い南向きの庭では、光を反射しやすいホワイトや明るいライトブラウンを選ぶことで表面温度の急昇を緩和できます。
またフェンスの前にシンボルツリー等の植栽を配置して日陰を作る工夫を合わせれば、熱気と紫外線の影響を軽減できます。
【対策4】衝撃を受けやすい場所ではアルミ芯柱や厚手パネルを選ぶ
衝撃による割れや強風による倒壊を防ぐためには、部材の構造剛性と支柱強度を確保することが不可欠です。
パネルは内部が空洞の薄手タイプを避け、厚さ約10mmの無垢構造パネルを採用すると外力への耐衝撃性向上につながります。
支柱には肉厚のアルミ芯材を内蔵したハイブリッド柱を使用し、柱ピッチを1000mm以下に狭めて施工すれば、風速34〜42m/s相当の耐風圧強度を保持できます。
【対策5】定期的な水洗いとお手入れで色あせや苔・カビの定着を防ぐ
経年汚れや日陰での苔・カビの付着を防ぐには、素材を傷めない正しい日常のお手入れを継続することが大切です。
普段の掃除はホースでの水洗いや柔らかいスポンジでの拭き取りで十分であり、汚れが目立つ場合は薄めた台所用中性洗剤を使用します。
強すぎる水圧で表面加工を削り取る高圧洗浄機や、表面を傷つける金属タワシ、塩素系漂白剤の使用は劣化を早めるため避ける必要があります。
他の目隠しフェンスとの比較からわかる樹脂フェンスの向き・不向き

外構フェンスには樹脂のほかにもアルミや天然木などの素材が存在し、それぞれ異なる強みと弱みを持っています。他素材との違いを整理し、ご自身の優先順位に合うかを見極めましょう。
- 素材別の費用・耐用年数・メンテナンス比較表
- アルミ・木調アルミ・天然木との耐久性・価格・質感の違い
- 樹脂フェンスが向いている人・向いていない人の特徴
素材別の費用・耐用年数・メンテナンス比較表
主要な4つの目隠しフェンス素材について、費用相場・耐用年数・メンテナンス頻度を比較した一覧は以下の通りです。
1mあたりの費用相場の比較
設置時の初期費用(本体材料費の目安)を比較したデータです。
| 素材種別 | 1mあたりの費用相場 |
|---|---|
| アルミ(単色) | 8,000円〜25,000円 |
| 木調アルミ | 12,000円〜30,000円 |
| 天然木 | 10,000円〜30,000円 |
| 樹脂・人工木 | 8,000円〜28,000円 |
耐用年数(寿命)の比較
屋外設置における物理的な耐用年数の目安データです。
| 素材種別 | 耐用年数の目安 |
|---|---|
| アルミ(単色) | 20年〜30年 |
| 木調アルミ | 15年〜30年 |
| 天然木 | 10年〜15年 |
| 樹脂・人工木 | 15年〜25年 |
メンテナンスの頻度と内容の比較
設置後の再塗装作業や日常のお手入れの手間を比較したデータです。
| 素材種別 | メンテナンスの頻度と主な内容 |
|---|---|
| アルミ(単色) | 極低(水洗い程度。塗装不要) |
| 木調アルミ | 低(表面シート管理、水洗い) |
| 天然木 | 高(1〜2年ごとの防腐塗装必須) |
| 樹脂・人工木 | 低(塗り替え不要。苔予防の水洗い) |
質感と主な特徴の比較
見た目の印象やデザイン面での主なメリット・注意点です。
| 素材種別 | 質感と主な特徴 |
|---|---|
| アルミ(単色) | 耐久性と強度に優れる一方、無機質な印象になりやすい |
| 木調アルミ | リアルな木目と高耐久を兼ねるが高額 |
| 天然木 | 本物の木質と香り。手入れの負担が大きい |
| 樹脂・人工木 | 温かみのある外観と手入れ不要の好バランス |
アルミ・木調アルミ・天然木との耐久性・価格・質感の違い
耐久性と強度を最優先する場合は、金属製のアルミフェンスが有力な選択肢です。ただし単色アルミは無機質な印象になりやすい点もあります。
高級感と堅牢性を両立したい場合は木調アルミが適していますが、4素材の中で価格が最も高く、予算を圧迫しやすい点が注意点です。
本物の木目や質感、経年変化を楽しみたい場合は天然木が魅力ですが、定期的な防腐塗装を怠ると数年で腐食します。
樹脂フェンスは、手入れ不要で木調の外観を手頃な価格で実現できるバランスの良さが最大の強みです。
樹脂フェンスが向いている人・向いていない人の特徴
樹脂フェンスの特性を踏まえ、ご自身の設置環境や優先順位に合うかを見極めることが大切です。
樹脂フェンスが向いている人の特徴
以下のような優先順位を持つ方は、樹脂フェンスを選ぶことで満足度の高いお庭づくりが可能です。
樹脂フェンスが向いていない人の特徴
以下のような条件やこだわりがある場合は、樹脂フェンス以外の素材(アルミ製等)を検討するのが安心です。
樹脂フェンスの施工で失敗しないためのおすすめサービス3選

樹脂フェンスの設置において、熱伸縮対策や耐風圧を踏まえた基礎設計には、製品仕様に沿った施工知識が求められます。
施工条件に合う事業者を比較し、見積もりやプランを検討しましょう。
- town life エクステリア|複数社から一括見積もりとプランを比較
- ガーデンプラス|全国対応の豊富な施工実績
- エクスショップ|ネット通販最大手の部材割引と施工実績
town life エクステリア|複数社から一括見積もりとプランを比較

樹脂フェンスの施工費用は、選択する基礎構造(ブロック積か独立基礎か)や施工店の割引率によって大きく変動します。
town life エクステリアは、全国の優良外構業者から無料で一括見積もりやデザイン提案を取り寄せられるマッチングサービスです。
同一条件で複数社の見積もり・プランを比較することで、適正な工事相場を把握でき、伸縮対策の知識が豊富な優良施工店をスムーズに見つけられます。
ガーデンプラス|全国対応の豊富な施工実績

ガーデンプラスは、累計20,000件以上の施工実績を誇る全国対応の外構専門店です。
樹脂フェンスの施工例を確認でき、完成後のイメージを事前に確認できるCADパース提案も利用できます。
最長10年の施工補償制度(対人・対物補償上限1億円)が用意されているため、万が一の不具合が生じた場合でも長期的に安心して工事を任せられます。
エクスショップ|ネット通販最大手の部材割引と施工実績

エクスショップは、公式サイトで180,000件以上の施工実績・お客様の声を公開しているエクステリア専門のオンラインショップです。
メーカーからの大量仕入れにより、樹脂フェンスの部材費用を最大69%OFFなどの特別割引価格で購入・施工できます。
標準施工費込みの明朗会計が特徴で、フェンス単体工事を検討する際の判断材料になります。豊富なユーザーレビューや施工例を確認できる点も特徴です。
樹脂フェンスのデメリットに関するよくある質問
樹脂フェンスの検討時に生じやすい代表的な疑問と回答をまとめました。契約前の最終確認として参考にしてください。
- Q1. 樹脂フェンスの耐用年数(寿命)は何年くらいですか?
- Q2. 樹脂フェンスは色あせしますか?
- Q3. 樹脂フェンスとアルミフェンスはどちらがよいですか?
- Q4. 台風などの強風で樹脂フェンスが倒れる危険はありますか?
- Q5. 樹脂フェンスのお手入れ・メンテナンス方法は?
- Q6. 樹脂フェンスはDIYで設置できますか?
Q1. 樹脂フェンスの耐用年数(寿命)は何年くらいですか?
A. 樹脂フェンスの耐用年数は、一般的に15年〜25年程度が物理的な目安とされています。
これはメーカーの製品保証(1〜2年程度)や工事補償(最長10年程度)とは異なり、太陽光の紫外線によってプラスチックが劣化し、必要な物理的強度が保てなくなるまでの期間を意味します。
定期的な水洗いで汚れを取り除き、耐候性に優れた部材を選ぶことで、長期間にわたり安全に使用することが可能です。
Q2. 樹脂フェンスは色あせしますか?
A. UVカット材が配合されている高耐候な製品であっても、直射日光を受け続けると経年によるわずかな色あせが進みます。
ホワイト系では微小な白化現象が起こり、濃色系では長年の日照により徐々に色素が抜けて淡い色調へと変化する経年変化が進行します。
数年後の退色を見越して最初から少し濃い色を選ぶか、植栽等の日よけを設置して直射日光を遮る工夫が有効です。
Q3. 樹脂フェンスとアルミフェンスはどちらがよいですか?
A. お庭のデザインや重視するポイントによって選択が分かれます。
木目調の温かみと塗り替え不要の利便性を両立したい場合は樹脂フェンスを選択するのがおすすめです。
一方、熱による変形をできるだけ避けたい場合や、高台・風当たりが強い場所で耐風強度を最重視する場合はアルミフェンスが適しています。
Q4. 台風などの強風で樹脂フェンスが倒れる危険はありますか?
A. フェンスの強風に対する安全性は、素材そのものよりも柱ピッチと基礎の施工設計に依存します。
内部にアルミ芯柱が入った支柱を採用し、柱間隔を1000mm以下に狭めて十分な深さの独立基礎で施工すれば、風速34〜42m/sの強風にも耐えられます。
強風時の風圧荷重に耐えられるよう、隙間ピッチ(風抜け)を適度に確保した設計を施工業者に依頼しましょう。
Q5. 樹脂フェンスのお手入れ・メンテナンス方法は?
A. 天然木のような防腐ペイントの塗り替え作業は通常不要です。
汚れが気になった際に、水洗いや中性洗剤と柔らかいスポンジで拭き取るだけで美観を維持できます。
高圧洗浄機の使用やスチールタワシ、塩素系漂白剤は、製品の取扱説明書で禁止・注意されている場合があるため、使用前に確認しましょう。
Q6. 樹脂フェンスはDIYで設置できますか?
A. 花壇周辺などの低いフェンスであればDIYも可能ですが、高さ1.2m以上の目隠しフェンスはプロへ依頼するのが基本です。
高尺フェンスは風圧荷重の計算や、建築基準法(施行令第62条の8)に基づく独立基礎の埋め込み深さ規定(35cm以上など)を守る必要があります。
基礎強度が不足すると台風や地震で倒壊し、隣家や歩行者への賠償事故につながる危険性があるため専門施工店にお任せしましょう。
まとめ
樹脂フェンスには初期費用の高さ、熱伸縮による変形、夏の表面高温、衝撃による脆化、微かな色あせといった5つのデメリットがあります。
しかし、熱伸縮を考慮した施工クリアランスの確保や、内部アルミ芯柱の採用、定期的な水洗いなど、適切な施工対策を講じることで後悔のリスクを減らせます。
施工条件に合う事業者を選ぶためには、複数社からの見積もり取得や施工実績の比較が役立ちます。条件に合う事業者を選び、納得できるお庭づくりにつなげましょう。
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